この世界の片隅に

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あちこちですすり泣く声が聞こえる映画館の暗闇で茫然とした。

劇場の明かりがついても誰も動き出さなかったのは表情を整えるためだろう。

なんだこの映画は。

素晴らしいとか、今年の一番とか、ともかく比較の対象にするのも勿体ない。
誰かに見てほしいと勧める気も起らない。そのこと(勧めること)によって「こんな素敵な映画勧める素敵な私」という自己愛をも恥じるから。

誰に恥じる?。むろん画面の中に確かに存在した。いやその体温や柔らかさまで触れることのできた、愛らしいすずさんに恥じるのだ。

落ち着くためにつらつら考えた。この「体験」は何に似ているだろう。これまで僕が接した感動。映画、音楽、絵画、彫刻。読書。
そうだ宮本常一「忘れられた日本人」
この映画の創作アプローチは民俗学に似てはいないか。

緻密に描かれた、忘れ去られようとしている風俗習慣。それを裏打ちする「心」。
すっかり変わってしまった価値観だが、人間を永遠に貫く「心」は変わらないという事。
それは強烈な日常化バイアスである。戦時下という異常な時代に、食べて着て愛するという「あたりまえ」
その誠実さが、主人公のすずさんと同じ空間に観客を置き、その頭上に理不尽の雨を降らせるのだ。

既に書いた理由で、ぜひ見ろとは言えない。恥ずかしくて言えない。だけど小声で言う。

「見ない理由があるの?」
#この世界の片隅片隅に

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